minimal cost of wears
人は一生のうち、どのくらい洋服にお金を費やすのか。
筆者は23歳だが、おそらくこれまで洋服に400万円以上費やしてきた。
(親に買ってもらっていた時期を除いての話である)
月に約7〜8万円の計算である。
はたしてそんなお金が必要だったのか。
一般的に私服が必要となる18歳から定年60歳までを想定したとして、男には最低どのくらい洋服が必要なのだろう。
夏はまあ、Tシャツと短パンがあればいい。
Facebookの創始者マーク・ザッカーバーグは、毎日同じグレーのTシャツ
にブルージーンズで過ごす。
Tシャツは丈夫なものなら1シーズンは保つ。
アメリカ企画のHANESやREDKAPなどは典型的だ。
3枚入りで1パック2000円、インナーにも使うので365日着るとしても、5パックもあればこと足りる。
つまりTシャツにかけるお金は年間10000円である。
短パンは古くなったブルージーンズやスラックス、イージーパンツをカットオフすればいいのだから考慮しない。
サンダルは1シーズンに1足。
ハワイやブラジルのゴムサンダルなら1000円で手に入る。
シャツは各々の体型に依る。
既製のシャツでサイズが合わない人はビスポークしないといけないから大変だ。
Tomas MasonやTurnbull&Asser、Cancliniなどイギリスやイタリアの老舗をビジネスで使い古し、クタクタになったそれをブルージーンズに合わせるのが理想であるが、いかんせん値段が張る。
ビジネスで使うとすると最低5枚は必要だ。
1枚2万円の良いシャツを1年に1枚ずつ買い足し、残り4着を1着5000円で賄えば、1年あたり4万円で済むうえ、年を重ねるごとに買い足す枚数は減っていくので経済的。
カーディガンはJohn SmedleyやLetroyesが理想だが、これも1枚3万円前後。
年間3枚は必要だが、これも1年に1枚ずつ良いものを揃え、あとはUNIQLOのextrafinemerinoでいい。
タイミング次第で1着3000円で手に入るから、これもだいたい4万円で収まる。
スニーカーは2足。
1足1万円だとしても2万円である。
ブルージーンズは3本。
Levi's505なら6000円、A.P.C. NEWSTANDARDなら18000円。
505のほうが経済的だが、長い目をみるとA.P.C.のほうがタフで色落ちが良い。
これも505をベースにA.P.C.を1本ずつ揃えていくとして、6000×2+18000=30000円。
しかもブルージーンズは1本買えば3年は安泰だから経済的だ。
イージーパンツは2本あれば十分だが、パジャマにも使うなら4本は欲しい。
Auraleeのヘビーウェイトパンツは約2万円。アメリカンアパレルのスウェットパンツなら5000円。
予算を2万円とし、その年のワードローブ状況に応じて良いものを買うか検討するのがいい。
スラックスはBrooks Brothersなら2〜3万円、インコテックスなら3〜4万円。
一度に2本買うのは難しい。
1年に1本ずつ揃えるとして、予算は年3万円とする。
ジャケット、コート、革靴は良いものを1着。
多少値が張っても長い目をみれば必ず安くつく。
今すぐ手に入れることができないなら、それを目標に貯金するべきだ。
たとえば、仕立ての良いFlank Lederのジャケットは25年着れる。
1着10万円だったとしても、年間あたり4000円の計算である。
革靴も同様だ。
今では1足10万円近くするAldenのコードバンも、しっかりメンテナンスすれば20年以上履ける。
Parabootsなどラバーソールのタイプはレザーソールに比べ寿命が短いが、それでも雨の日に履きやすい点においてお金を費やす価値はある。
コートにはさらにお金を費やしてもいい。
60年以上前のMackintoshがヴィンテージとして販売されていることがあるが、未だ実用レベルにある。
雨に強く、虫に食われないコートはまさに一生物だ。
同時にすべて揃えるのは難しい。
ワードローブのベースができるまでUSEDでしのぎ、2年目以降に1つずつ揃えていく。
焦る必要はない。
本当によくできた洋服、靴は流行に流されることなく、いつでも手に入るものだから。
ソックスは10足。
Tabioの1足1000円のドレスソックスが5足と、3足組2000円弱のレイルロードソックスが2パック。
いつも新鮮なものを履いていたいので、予算は年1万円とする。
ネクタイは毎日ビジネスで巻くなら3本は必要だ。
そこまで消耗しないので、1年に1本ずつ、Brooks BrothersやMarinellaを揃えていけばいい。
年10000〜15000円といったところ。
10000+ Tシャツ
40000+ シャツ
40000+ カーディガン
30000+ ブルージーンズ
20000+ イージーパンツ
30000+ スラックス
10000+ ソックス
15000+ ネクタイ
1000
=196000
1年目にジャケット、コート、革靴以外をすべて揃えたとすると、約20万円程度の計算である。
1年で半分の洋服を消耗したとして、維持費に年10万円かかる。
そこで10万円のジャケット、コート、革靴を1年にひとつずつ揃えたとすると、だいたい年間20万円はかかる計算である。
つまり、本来なら洋服に費やすお金は月に2万円で十分なのである。
もちろん、仕事で使うスーツや、何か趣味を始めればそれに伴う洋服が必要になることもあるが、そういった例外を含めたとしても、月に3万円はもはや使いすぎなのである。
今一度、自分の金銭感覚を見直さなければならない。